[出版社からのコメント]
失ったら二度と取り戻せない、日本の農山漁村にある美しい景観や文化。当初7つの村で始まった景観・文化を守る運動体「日本で最も美しい村連合」は、今では60以上の村が加盟する。本書では、ワイン生産者、養蜂家、パン屋、シェフ、陶芸家、村長、教員、民宿経営者など、美しい村をつくる多種多様な実践者たちを紹介する。
【主要目次】
不毛の大地で生きる人々とタンチョウ―北海道鶴居村
丘がもたらす厳しい試練と豊かな恵み―北海道美瑛町
大雪の中であたたかな春を待つ―北海道赤井川村
雪に埋もれる村の、何もないから見られる風景―秋田県東成瀬村
じんわりしみる、温泉郷と棚田の魅力―山形県大蔵村
厳しい冬を超えて守られる、昔ながらの風景―山形県飯豊町
お金が全てという現代社会を問い直す―福島県飯舘村
茅葺き住宅、高山植物に囲まれる湖や湿地、色鮮やかな緑の公園―群馬県中之条町 伊参/六合
しだれ桜から、ぶどう栽培、パウダースノーなど、四季が豊かな村―長野県高山村
おやきが象徴する独立精神―長野県小川村
地域の有名な財産と無名な財産、どちらもがここには必要―長野県木曽町
山奥にある村の、おもてなし精神―長野県大鹿村
山の麓に暮らす日々にある持続可能な取り組み―長野県中川村
コンパクトな町に、ぎっしり詰まった自然資源―静岡県松崎町
歴史、神話、山脈、一面ススキの高原が生みだす、地域の奥深さ―奈良県曽爾村
杉と桜がつくる、いやしの場―奈良県吉野町
村ぐるみで自主自立の精神が培われてきた場所―奈良県十津川村
脈々と受け継がれるお世話好きの遺伝子―愛媛県上島町
用の美棚田が生みだす、人々のつながり―福岡県星野村
住民主体で守られてきた、雄大な農村景観―大分県湯布院町 塚原地区
住民の主体性が尊重される土壌―熊本県南小国町
阿蘇山がもたらす湧水、地質、気候の豊かさ―熊本県高森町
必要以上は望まない。自然との共生で知り抜く大切なこと―宮崎県椎葉村
人々の静かな祈りが息づく場所―長崎県小値賀町
支配に揺れた歴史のなかで、たくましく生きた人々―鹿児島県喜界町
[著者について]
季刊 日本で最も美しい村 制作チーム
日本で最も美しい村」を取材している制作チーム。グラフィックデザイナーのジュリアーノナカニシが中心となり、美しい村づくりの活動を『季刊 日本で最も美しい村』として2012年より発行している。
NPO法人「日本で最も美しい村」連合は、2005年に7つの町村からスタート。当時は、いわゆる「平成の大合併」で市町村合併が促進され、小さくても素晴らしい地域資源や美しい景観を持つ村の存続が難しくなってきた時期である。その後、フランスの素朴で美しい村を厳選し紹介する「フランスの最も美しい村」運動に範をとり、失ったら二度と取り戻せない日本の農山漁村の景観・文化を守りつつ、最も美しい村としての自立を目指す運動が始まった。