北海道檜山郡 江差町
Hiyama District , Hokkaidou Prefecture
北海道南西部に位置する江差町。江戸時代に江差沖で突如始まったニシンの豊漁を機に、この地はかつて北前船交易の終着点として「江差の五月は江戸にもない」と言われるほどの栄華を極めた。きっとこの海の向こうから、多くの船乗りたちが一攫千金の夢を抱き、荒波を越えてきたのだろう。天然の良港として愛された「鴎島」には、最盛期には千艘を超える船が身を寄せたという。
こうした繁栄とともに江差で育まれていったのが、多彩な文化だった。船乗りたちの愛唱歌であった江差追分に、華やかなりし時代の面影を色濃く残す大祭「姥神大神宮渡御祭」、江差餅つき囃子、鹿子舞など、北海道指定の無形文化財9つのうち6つを江差発祥のものが占めるほか、「檜山郡」の名に相応しく檜製品や漆文化を今に伝える取り組みも続いている。
まさに地域資源にあふれたこの町が「日本で最も美しい村」連合に加盟したのは2015年のこと。照井町長はその想いについて「わが町こそ『美しい村』にふさわしい、そう考えると同時に、他の加盟町村地域との交流によって課題を共有し、それぞれの事例に刺激を受けられることに魅力を感じた」と語った。
文:玉木美企子 写真:エクサピーコ
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特集 江差町
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