福島県大沼郡 三島町
Onuma District , Fukushima Prefecture
磐越自動車道を郡山から西へ。市街地を抜けたら、のどかな田園地帯から会津磐梯山を望む猪苗代の盆地、そして山深き奥会津へと、トンネルを一つくぐるごとに車窓からの景色が移り 変わっていく。人口は約1400人という小さな町ながら、日本有数の桐 の名産地、そして暮らしのなかで育まれた手工芸の文化を守り継ぐ「生活工芸運動」のメッカとしても名高い。そして観光では、自然との調和が美しい秘境路線「只見線」の撮影スポット に海外からも多くの人々が詰め掛けていて......と、まさに「小さくてもキラリと光る美しい村」だ。
そんな現状は、しかし偶然にもたらされたものではない。町民たちが外部からのまなざしにも学びながら、この町の誇るべき文化・風習を見出し守り継いできた、不断の歩みの末にあるのだ。
「日本で最も美しい村」連合への加盟も、「この流れのなかで 選択されたものだった」と矢澤源成町長。「住民自身がこの町の歴史を知り、それを踏まえて魅力を認識することが大切」と 話すとおり、三島では多くの地方で耳にする「ここにはなにもない」という(照れ隠しも含む)声はまったく聞こえてこない。 自然を愛し、文化を認め、風習を尊ぶ。加えて、外からの風も積極的に迎え入れて、時代に寄り添うよう柔軟に変化を遂げてきた様子も、今回の紙面ではきっと垣間見えるだろう。
文:玉木美企子 写真:田村寛維
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特集 三島町
/ Column /
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